こちらのページでは銅に関する詳細情報を掲載しております。
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Cu
4列目
11行目
単結晶の銅は柔らかく、電気伝導度および展延性が高い金属であり、これは同じ第11族元素である銀や金と共通した性質である。これは閉殻構造を取るd軌道の外側にs軌道の電子が1つだけ存在しているという、第11族元素の電子配置に起因している。このような電子配置であるためにd軌道の電子の多くは原子間の相互作用に寄与せず、原子同士を結び付ける金属結合はs軌道の電子によって支配される。そのためこれらの元素は、d軌道が閉殻でなくd軌道の電子が結合に寄与する他の金属元素と比較して共有結合性が弱く金属結合性が強い結合が形成されることとなり、高い電気伝導度や延展性といった金属結合に起因する性質が強く現れる[5]。巨視的なスケールにおいては、結晶格子に結晶粒界のような拡張欠陥が発生して硬度が増すため、負荷応力下での流動性の妨げとなる。そのため、通常銅は単結晶形よりも強度の高い多結晶微粒子の形で供給される[6]。